ダイナースクラブ フランスレストランウィーク 2017

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フランス料理こそデザートは別腹

フランス料理のフルコースの楽しみは最後のデザート!という方は、結構いるのでは?さっきまでお腹がいっぱいだったはずなのに、色鮮やかな美しいデザートを目の前にしたら完食してしまった、そんな方も多いはず。デザート、すなわちフランス語の「デセール」を直訳すると「サービスの後」つまりメイン料理の後、仕切り直してからの流れを意味します。まさに別腹な時間の始まりです。

コースによっては「プレデセール」または「アヴァンデセール」と呼ばれる軽めの小さなデザートがメインのデザートの前に提供されることもあります。メインのデザートの後には、食後の飲みものとともに「プチフール」と呼ばれる小さな焼き菓子、チョコレートやヌガー、キャラメルなどの小菓子「ミニャルディーズ」が出されることもあり、デザートが3段階でサービスされることもあります。

クラシックなスタイルを踏襲するフレンチレストランでは、デザートのワゴンサービスが楽しめるかもしれません。ワゴンの上には大型のケーキ(アントルメ)や季節のタルト、フルーツのコンポートや、チョコレート、小菓子、アイスクリームやソルベまでが所狭しと並び、リクエストに応じて目の前で取り分けてもらえるという、甘いもの好きにはたまらない夢のようなサービスです。ワゴンで一際目を引くのは何と言っても「ヴァシュラン」(メレンゲを使ったアイスクリームケーキ)や「イル・フロッタント」(メレンゲをカスタードソースに浮かべたデザート)などパティスリー(菓子専門店)では買えないデザートで、レストランの醍醐味ともいえるでしょう。

ではなぜフランス料理のコースの締めにデザートがあるのでしょうか?それは砂糖が長い間希少で料理には使えなかったこと、また食事の最後に砂糖を使うことで、より充実した満足感と満腹感を与えようという目的があったからと言われています。とにかく歴史的に見ても甘いデザートなしではフランス料理のコースは完結しないのです。

レストランにおいてそれほど重要な存在のデザートを作っているのは、料理人ではなく菓子職人、つまりパティシエです。パティシエとはケーキやタルト、サブレなどの小麦粉を使ったお菓子=パティスリーを作る職人を意味します。

レストランにおけるデザートは食後に食べるため、お茶の時間のお菓子より軽い食感が求められます。卵と砂糖の生地を一気にふんわりオーブンで焼き上げるスフレや、焼き立てのパイ生地とホイップし立てのクリームを重ねるミルフィーユ、また季節の果物のパフェなど、フレッシュで繊細な、すぐに食べないと沈んでしまうような儚さがレストランデザートの特徴といえるでしょう。80年代に入りケーキなど作り置きできるデザートから、作り立てのデザートが主流になり、前菜にも似た大胆な盛り付けや、より料理に近い素材使いや仕立てが取り入れられ、レストランデザートは才能あるパティシエ達によって、日々革新を続けています。

最近では野菜やスパイスを使ったデザート、和食材を使ったデザート、甘みを極力抑えたデザートも珍しくありません。パティシエに代わり、またはパティシエと協力して自らデザートまで創作するシェフや料理人もますます増えています。まさに今はデザート百花繚乱の時代。普段は甘いものが苦手な方でも、フレンチレストランでは思い切ってデザートを堪能してみてください。

文・勅使河原加奈子

Photo: Pierre Monetta

ーLe Magazineー
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