ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2023「パリのビストロメニュー」は楽しんでいただいていますか?秋に旬を迎えるフレンチ定番メニューのひとつは【ジビエ料理】。野生の鳥獣は冬に備えて体に栄養を蓄え始める為、今の時期が美味しいのです♪北海道のフォーカスシェフ齋藤 俊樹シェフからスペシャルなレシピを教えていただきました!

【北海道】ルアン NIPPONIA HOTEL 函館 港町 齋藤 寿樹
1998年4月生まれ。東京学館船橋高等学校食物調理科在学中より、千葉県柏市にあるRestaurant Le Coupleにて料理人人生をスタートさせる。
卒業後約2年を同レストランで過ごした後、2020年1月バリューマネジメント株式会社へ入社、同社運営の東京銀座のTHE GRAND GINZAへ。
2021年5月よりNIPPONIA HOTEL 函館 港町へ異動し、同年11月より厨房責任者となり、今に至る。

ルアン NIPPONIA HOTEL 函館 港町 北海道函館市豊川町11-8

[Chef’s☆comment]~齋藤シェフよりお料理のコンセプトご紹介~

ビストロ定番メニュー、そして秋の旬でもあるジビエ料理のレシピをご紹介します。
函館の隣、森町にある「マノワラボ」で処理された鹿肉を使用。函館市内にも鹿肉解体所「ソバージュド函館」があり、道南地域でのジビエに対する取り組みは盛んになってきている。そんな道南産の鹿バラ肉を今回はロール状に巻き上げ、一皿でしっかりとバラ肉全体を味わえるように仕上げた。

通常の赤ワイン煮込みよりも渋みを抑える作り方で、ジビエや重たい料理が苦手な方でも食べやすいと思います。
付け合わせには、同じく森町の代表的なくりりんかぼちゃと、道産じゃがいもをバターで仕上げたシンプルなものをチョイス。希少部位である舌も添え、ソースには鹿の出汁を使い一皿に鹿をしっかりと還元させた一皿です。

[使用する食材]

【森町産蝦夷鹿バラ肉のシヴェ くりりんかぼちゃのピュレと ポムパリジェンヌ】

[ 鹿バラ肉の煮込み ] ※作りやすい分量
鹿バラ肉 (1kg)
赤ワイン (1L)
玉葱 (1/2個)
人参 (3/1本)
セロリ (1/2本)
フォンドシュブルイユ (300ml) ※なければ市販のフォンドボーでOK

[ ガルニチュール ](付け合わせ) ※4皿分
くりりんかぼちゃ (1/2個) ※なければ普通のかぼちゃでOK
バター (40g~)
じゃがいも (3個)
セロリの葉 (4枚)
鹿舌 (1本)

[作り方]

~鹿バラ肉の煮込みを作る~
① 鹿肉を成型する。余分な部分を掃除し、チャーシューのようにしっかりと巻き付け、タコ糸で縛る。

② 玉葱、セロリ、人参を3cm角に切り、サラダ油で炒める。

▲巻く前の厚さをそろえた状態。このまま下から巻いていく。

▲赤ワインを入れる前の野菜の状態

③ しっかりと色づいたら赤ワインを加え、アルコール分が飛ぶまで沸かす。

④ ワインの1/3量の氷を入れて冷却と同時に渋みをとる。

⑤ 肉を④につけて1晩置いておく。

⑥ 次の日、水気を切った肉の表面をしっかり色がつくように焼く。

⑦ 漬けていた野菜と赤ワイン、フォンドシュブルイユで肉を煮込む。

⑧ アクを取りながら、肉の頭がでるようであれば随時水を足しながら串がスッと入って肉が落ちるくらいまで火を入れる。

⑨ 肉を取り出し、熱いうちに塩を振ってラップをし、冷蔵庫で冷ます。

⑩ 液体をしっかりと濾し、好みの味の濃さまで煮詰める。

~ガルニチュール(付け合わせ)の調理~
① くりりんかぼちゃは種を取り、皮付きのまま塩とオリーブオイル、を振る。

② 表面にまんべんなく霧吹きで水を噴き、アルミホイルで包み150度のオーブンでじっくりと蒸し焼きにする。

▲塩、オイル、水を纏わせてアルミホイルで包んでローストする

③ しっかりと柔らかくなったら、お皿に付け合わせで盛る用はそのまま冷やし、ピュレにする用は皮を取り除いてミキサーに入れる。

④ ブールノワゼット (鍋にバターを熱し、ハシバミ色になるまで火にかける) を作り、➂のミキサーへ加えて一気に回す。

⑤ じゃがいもは皮をむき、パリジャンで丸くくりぬく。

[Chef’s☆comment]
じゃがいもを丸くくりぬくスプーンのことをキュイエール・ア・ラ・パリジャンと呼んでいますよ。

▲付け合わせのじゃがいものくりぬいた状態

⑥ まずはオリーブオイルでゆっくりとソテーし、火が入って色づいてきたらバターを加えて外がカリッと、中がホックリなるまで火を入れて仕上げる。(この時バターが焦げないように注意!)

⑦ 温かいうちに塩をしっかりと振る。

⑧ セロリの葉は160度の油で素揚げにし、塩を振る。

⑨ 鹿舌は表面が白くなるまでボイルし、氷水にあける。

⑩ すじをしっかりと取り除く。

⑪ 厚めにカットし、切れ目をいれる。

▲煮込み終えて、冷めた状態の鹿の煮込みの断面

[Chef’s☆point]お肉はきつめにしっかりと巻きこむこと、煮込む時間が多く不安になってしまっても、しっかり柔らかくなるまで辛抱強く待つことがポイントですよ!

~仕上げ~
① 鹿バラの煮込みは冷たいまま分量通りにカットし、煮詰めたソースの中で温める。

② ピュレ、かぼちゃのローストは温めておく。

③ 鹿舌はフライパンで焼く。

④ 皿にピュレとかぼちゃのローストを置き、焼いた舌とセロリのチップも添える。

⑤ 温めた煮込みを置き、必要であれば水溶きコーンスターチでソースに濃度をつけて流す。

[Chef’s☆comment]こちらのレシピでは、野菜の量をしっかり入れて甘みを引き出しています。レストランでは、使用している鹿肉が「道南のどこの地域でとれたか」「何歳なのか」など、雄雌等個体のストーリーをお客様へしっかりと伝えることを大切にしています。

人間が作り出した環境によって増えてしまった鹿たち。農被害や人的被害が広がる中、「食」の循環づくりに取り組む齋藤シェフのサステナブルに貢献するジビエレシピをご紹介させていただきました!

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